アラキドン酸のwikipedia 説明を読んでいて息が止まるかと思いました!「アラキドン酸は植物にはほとんど含まれないため、自ら十分な量を生産できない動物(ネコなど)は他の動物の捕食によって摂取する必要がある。」という記述があったのです!以前なら読み過ごしてしまうような一文でも、アラキドン酸と炎症性エイコサノイドの関係に気付いた今は敏感に反応してしまいます。
なんと、炎症亢進系エイコサノイドの前駆物質であるアラキドン酸は野菜や穀類などの植物にはほとんど含まれていないというのです。
※文科省食品成分データベースより
野菜類のアラキドン酸含有量ランキング(100gあたり)
1位、にんじんグラッセ(照り煮)、2mg
1位、冷凍ほうれんそう(ゆで)、2mg
3位、かいわれだいこん(芽生え)、1mg
これで終わりです。「にんじんグラッセ」と「冷凍ほうれんそう」は加工食品ですので調理油が混入していたためアラキドン酸が検出されたのでしょう。本当に野菜には原則としてアラキドン酸が含まれていないのだと分かります。
これらの記事を読んで、「ベジタリアンやビーガンの人々が体調改善した」と主張しているのは「アラキドン酸削減の効果」だったのかもしれないなと思いました。炎症が減れば体調改善を実感することも不思議ではありません。
菜食主義には、「野菜のみ」、「野菜+乳製品のみ」、「野菜+乳製品+卵」という様々な段階がありますが、慢性炎症(慢性アレルギー)防止の観点で考えると、「卵抜きの菜食主義」ということがひとつの選択肢になってきます。石器時代、狩猟採集生活から、農耕生活が始まって、つい数千年前まで、「人類はそれほどアラキドン酸を摂っていなかった」のかもしれません。だからこそ、人類はリノール酸からアラキドン酸を体内合成できる仕組みをもっているのです。オメガ6脂肪酸代謝に関わる遺伝子の観点で見ると人類は草食動物と言えるでしょう。
現代的な食生活でアラキドン酸の過剰摂取により慢性炎症などの不都合を感じているのなら、一度食生活を昔の生活に近づけてみることが有益かも知れないのです。但し卵も栄養豊富な食材ですから、卵アレルギーでは無い場合、完全に抜いてしまうのは勿体ないと思います。完全な卵抜き菜食主義ではなく、週に2~3個の卵を食べる「不完全な卵抜き菜食主義」を推奨したいと思います。
※参考記事
慢性炎症対策食品
EPA÷ARA比率
アラキドン酸ランキング
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