食べる時間ダイエット、食べる順番ダイエット、ベジファースト

起床後5~6時間は代謝が盛んになり、14時頃にBMAL1という脂肪を造るタンパク質の働きが最も弱くなり脂肪がつきにくくなります。高カロリーだけど食べたい食材があれば、午前中~昼食までに食べるようにしましょう。

ごちそうは夕食よりランチで食べると良いでしょう。睡眠時は代謝が下がりますので、脂肪合成が進みやすい時間帯です。寝る3時間以内はカロリー摂取を控えましょう。夕食は19時までに終わらせ、22時までに寝るのが良いでしょう。

※参考論文、勤労者の夕食終了から就寝時間までの間隔と健康状態との関係
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/66/4/66_185/_pdf
 
※花王、食と健康ナビ
http://health-food-bev.kao.com/visceralfat/892/

食べる順番も大切です。最近の「時間栄養学」の進歩により、食事の際に炭水化物より先に野菜を摂ることで、同じ量を食べても血糖値の上昇が抑えられることが分かっています。順番を変えるだけで食べる量を我慢しなくて良いなら、取り入れない手は無いですね。野菜を先に食べる健康法は「ベジファースト」と呼ばれ、学校給食の場面などでも推奨されています。

https://www.kewpie.co.jp/yasai/vegefirst/contents.html#contents01
http://www.osaka-eiyoushikai.or.jp/whats_new/pdf/wn_112.pdf
https://www.city.adachi.tokyo.jp/kokoro/documents/action-plan-shokuiku-290117.pdf

ストレスが、うつ病を悪化させる

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1393587
https://www.princeton.edu/~goulde/pubs/Stress%20induces%20atrophy%20of%20apical%20dendrites%20of%20hippocampal%20CA3%20pyramidal%20neurons.pdf
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10560024

渡辺義文博士の論文で、「ストレスは海馬CA3神経細胞の樹状突起の萎縮を誘導する」という発見がレポートされ、エール大学のDuman教授は、「うつ病の神経可塑性仮説」を提唱するに至りました。うつ病患者では、神経細胞が物理的に変性しているので、神経細胞の樹状突起形成を促進するような薬を開発することでうつ病の新しい治療薬ができるかも知れないと示唆しているのです。神経細胞が変性するのですから、当然、記憶力の低下も招くでしょう。ストレスは、子供の成長にも、受験勉強などにも、良くないでしょう。

※参考書籍
「うつ病の脳科学」加藤忠史、幻冬舎新書

まだ薬は出来上がっていませんので、我々一般市民ができる対抗策は、「ストレスを軽減する」という作戦になりますね。難しいことですが、ストレスになりそうなことは回避するという「工夫」が必要かと思います。「嫌なことはやらない」「頑張らない」「無理しない」「我慢しない」「諦める」というような標語になると思います。

具体的には、「借金しない」「お金を使わない」「ニコニコする」「笑う」、運動なら「ウォーキング、有酸素運動」ということになるかと思います。

毎日の予定や行動を考える場合に、「それは楽しいことか?」を基準に考えるということですね。意外に、楽しくなくても惰性で行っている行動も多いかと思います。最近「断捨離」という考え方がブームとなっていますが、これも、ストレスの軽減に役立つと思います。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%AD%E6%8D%A8%E9%9B%A2
http://yamashitahideko.com/

断:入ってくる要らない物を断つ。
捨:家にずっとある要らない物を捨てる。
離:物への執着から離れる。

ということだそうです。まあ、これでストレスが増えたら逆効果ですので、自然な形で生活に取り入れると宜しいかと思います。

ストレスを軽減する食品と言われる、ガンマアミノ酪酸(GABA)を摂取することも検討して下さい。

グリコ、メンタルバランスチョコレートGABA

MIND食で認知症リスクが54パーセント低下

https://en.wikipedia.org/wiki/MIND_diet

アメリカのNIH(National Institutes of health,国立健康研究所)が高血圧予防のために提案した、DASH食(Dietary approaches to stop hypertension)と、ユネスコの無形文化遺産に登録された地中海食(1940-50年代の南イタリア、ギリシャ、スペインの食習慣に触発された食事法)をミックスしたMIND食(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay diet、地中海DASH神経変性遅延食)が、米国ラッシュ大学医療センターで開発されました。MIND食を全て実践するとアルツハイマー型認知症のリスクが54パーセント低下し、一部を取り入れただけでも35パーセント低下するという研究もあります。

https://www.rush.edu/news/diet-may-help-prevent-alzheimers
https://www.webmd.com/alzheimers/features/mind-diet-alzheimers-disease#1

取り入れるべき10の食材

葉物野菜(ほうれん草、サラダ野菜など):週に6回以上
他の野菜:毎日1回以上
ナッツ類:週に5回
果実類:週に2回以上
豆類:週に3回以上
全粒粉:毎日3回以上
魚類:週に1回以上
鳥肉:週に2回
オリーブオイル:主要調理油とする
赤ワイン:毎日グラス1杯
安旨ワイン1、モンテス
安旨ワイン2、テラザス

避けるべき5の食材

赤肉:週に4回以下
バターマーガリン:毎日大さじ1杯以下
チーズ:週に1回以下
菓子ケーキ類:週5回以下
揚げ物ファーストフード:週1回以下

魚を週に1回以上というのはアメリカ人からみると大変なのかも知れませんが、日本人からみるとハードル低すぎる気もしますね。これ、回数しか指定されていませんので、どれくらいの量を摂るべきか難しいのですが、総カロリーは年齢体重相当以下に制限すべきですし、「常識的な量」を摂るべきということなのでしょう。

脳由来神経栄養因子BDNF仮説

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90
https://journal.jspn.or.jp/jspn/openpdf/1120100982.pdf
http://www.kao.co.jp/rd/healthcare/activity/healthcare50_01.html
http://www.meiji.co.jp/chocohealthlife/news/research.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7472505
http://www.yakult.co.jp/healthist/242/img/pdf/p02_07.pdf

うつ病患者や認知症患者では、血中BDNF濃度が低下しているという研究があります。そこで、BDNFを増やせばうつ病や認知症が改善するのではないか、というのがBDNF仮説です。上記論文では、SNRIセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬を投与することによりBDNFが増加する可能性があることが示唆されています。

従来のモノアミン仮説は神経伝達物質の不足を補うことでうつ病改善を狙うものですが、これとさほど違いは無いですね。モノアミンであるセロトニンやノルアドレナリンを増やせば、BDNFも増えるというのですから。

他にBDNFを増加させる手段として、次のものが示唆されています。

有酸素運動
https://www.ibp.ucla.edu/research/GomezPinilla/publications/Exc2580.pdf

日光浴(ビタミンD)
ナイアシン(ビタミンB3)
葉酸摂取
クルクミン(カレーライス)
カカオポリフェノール(ココア、チョコレート)
ピペリン(黒胡椒)
ビタミンC・E
茶カテキン
レスベラトロール(赤ワイン、メリンジョ)
酪酸(乳製品)

うつ病の運動療法、認知症予防

昔から、スポーツや体を動かすことで抗うつ作用や、抗不安作用があると言われていましたが、日本スポーツ精神医学会も設立され、最近は具体的な研究レポートも増えてきました。

https://ci.nii.ac.jp/els/contents110004497122.pdf?id=ART0007276988
 
https://www.jstage.jst.go.jp/article/stresskagakukenkyu/28/0/28_20/_pdf
 
https://www.sportspsychiatry.jp/

これらの論文を読みますと、運動量は、週3回以上、ウォーキングまたはジョギング1時間程度を、3ヶ月程度行うと有意に効果が観測されるようです。SSRI薬などとの併用療法も効果があるようです。運動の「元気効果」は我が家でも実感しています。3世代でお出掛けして祖父母には普段よりも沢山歩いて貰った日の夕方、表情にチカラがみなぎる感じが増えるんですね。これは家族だけに分かる違いかもしれませんが!

興味深いのは、座位行動とうつ症状の関連です。座位行動とは覚醒時に行われる座位および臥位の身体活動であり、テレビ視聴やコンピュータの利用などが挙げられています。テレビ視聴時間が長いと、うつ病発症リスクが高まるという報告もあります。運動することは脳に良いし、運動しないと脳に悪いということですね。

ビタミンD(メラトニン、セロトニン)合成に日光浴が有効ですから、例えば昼食を食べに行く場合は、30分歩いて到達できる店(隣町のお店)を選び、往復1時間のウォーキングと日光浴を行う対策が考えられます。セロトニンの材料となるトリプトファンを摂るために、「ごはん系」より「そば・こむぎ系」の店舗が良いかも知れません。パスタ店とか、ソバ屋とかですね。オメガ3脂肪酸DHA&EPAを摂取するために、寿司店も良いですね。

ですから、たとえば、1週間に3回、ランチで、パスタ屋、そば屋、すし屋と、ローテーションを組んで1時間のウォーキングで食べに行くと良いでしょう。外食は不健康と思う場合は、おにぎりとかサンドイッチを持参して、歩いて30分の公園に出掛けて、食べて帰ってくるのも良いですね。

そういえば、NHKスペシャル「人体」で、筋肉を動かすと出てくるメッセージ物質「カテプシンB」が脳に働きかけて記憶力が高まる可能性があるという研究もあると紹介していました。「文武両道」って、体を動かすと頭も良くなるって意味だったんですね!

https://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_4.html

運動により、脳由来神経栄養因子BDNFが増えるという有名な論文も御紹介します。UCLA大学のShoshanna Vaynmanらの動物実験に関する論文です。
 
European Journal of Neuroscience, Vol. 20, pp. 2580–2590, 2004
https://www.ibp.ucla.edu/research/GomezPinilla/publications/Exc2580.pdf

Our results showed that exercise enhanced spatial learning and memory on the MWM task and was associated with an increase in the mRNA levels of BDNF, its TrkB receptor, and its consummate endproducts, synapsin I and CREB. Importantly, our results are novel as they provide the first direct evidence that exercise may predominately employ the action of BDNF to enhance cognitive function. Furthermore, given the extensive involvement of the BDNF system in many disorders of cognitive function, such as schizophrenia (Egan et al.,2003), traumatic brain injury (Horsfield et al., 2002), dementia (Andoet al., 2002), and Alzheimer’s disease (Tsai et al., 2004), the finding that a short and moderate exercise period is sufficient to enhance learning and memory suggests that exercise is a highly accessible form of intervention that could be used in conjunction with the standard method of care.

上記和訳

我々の実験結果は、運動によりマウスのMorris Water Maze(水中迷路)課題において空間認識能力と記憶力が高まること、そして、それはBDNFのmRNAレベルと、そのTrkB受容体、そしてこれらの最終生産物であるシナプシンIとCREBの増加と関係していることを明らかにしました。これは、運動が主にBDNFの作用を利用して認知機能を向上させる可能性があるという最初の直接的な証拠を提供するもので、重要です。さらに、統合失調症、外傷性脳損傷、認知症、アルツハイマー病、ならびに認知機能障害の多くにBDNFシステムが広範に関与していることを考えると、短期および中等度の運動が学習および記憶を増強するのに十分であるという知見は、運動が、標準的な治療方法と組み合わせて使用することができる非常にアクセスしやすい治療法であることを示唆している。