慈恵医大・ウイルス学講座で、うつ病の原因遺伝子の研究が進められています。ほとんど全てのヒトに潜伏感染しているヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)がうつ病の原因になると報告されています。
マンガでわかる「最新!疲労・ストレス講座」というものがあり、次のような解説がありました。
- 疲労感には、人体の限界を知らせて休息を取らせる機能があり、生き延びるために必要な感覚である。
- 疲労度と唾液中のヘルペスウイルスの濃度に相関があることが分かってきた。感覚的なものであり従来測定するのが難しかった疲労度を客観的に測定することができるようになった。
- 唾液中のヘルペスウイルスの濃度は休息で回復できる生理的疲労には反応するが、慢性的な脳神経由来の病的疲労には反応しにくいことも分かってきた。
- 生理的疲労も放置すると休息しても回復しにくい病的疲労に移行することがある。
- 疲労感は、命を守る3大メカニズムのひとつである。痛み、発熱、疲労である。
- 疲労は、炎症性サイトカインが脳に作用して発生することが分かっている。炎症性サイトカインは、運動や労働や免疫反応などで生ずる。
- ストレス応答でコルチゾールとアドレナリンが分泌されると、炎症性サイトカインが減少し、疲労感も軽減されることが分かった。
- ストレス応答が上手くいかないと、休息しろという疲労感が優勢な状態が長く続くことになり、うつ病の症状に繋がることになる。
- ヘルペスウイルスのSITH-1遺伝子は、うつの原因遺伝子だが、「不安」「心配性」「慎重」「頑張り屋」といった性格の原因にもなり、ヒトの生き残り戦略に有効に作用した可能性もある。ヘルペス感染がネアンデルタール人よりもクロマニヨン人が優勢になった原因のひとつである可能性がある。
なんと、うつ症状は人類の生き残りと発展に必要だったかもしれないという驚きの分析がありましたが、現実問題として現代人はうつ症状に悩まされているわけですから、新しい知見を活かして対策も考えていきたいですね。
上記内容から分かる対策は、「炎症性サイトカインの減少」、「コルチゾール増強」、「アドレナリン増強」でしょう。コルチゾールは副腎皮質ホルモンで、いわゆる「ステロイド系抗炎症薬」に使われている成分です。
炎症性サイトカイン減少・・・元気が無く頭痛がするような時は市販の鎮痛消炎薬を服用して思い切って寝てしまう対策もあるかもしれません。
抗炎症作用オメガ3脂肪酸ランキング(摂取促進)
1位、EPA(イワシ、トロマグロ、サバ、ブリ、サンマ、海苔)
2位、DHA(トロマグロ、サバ、サンマ、すじこ)
3位、ALA(えごま油、あまに油、くるみ)
炎症亢進オメガ6脂肪酸ランキング(摂取抑制)
1位、アラキドン酸(鶏卵、豚レバー、豚肉、サバ、マグロ、ブリ、イワシ、すじこ、わかめ、こんぶ、ひじき)
2位、リノール酸(サフラワー紅花油、コーン油、大豆油、ごま油、くるみ、あまに油、えごま油)
コルチゾール増強・・・甘草摂取(疲労対策漢方薬は、補中益気湯、十全大補湯)、カフェイン摂取
アドレナリン増強・・・材料であるチロシンや鉄を摂取する。生合成に必要なビタミンCを摂取する。チロシンは、チーズ、豆腐納豆など大豆食品、たらこ、ちりめんじゃこ、かつお、アーモンド、タケノコ、落花生などで摂取できる。
※参考記事
コメントを残す