認知症のコリン作動性仮説

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アルツハイマー病(alzheimer disease AD)の原因に関する「コリン作動性仮説」を御存知でしょうか。ADの2つの重要な要素である記憶と学習の両方に関与する神経伝達物質であるアセチルコリンの合成の低下によりADが発病するという仮説です。ADの現在の薬物療法の多くはコリン作動性仮説に依拠しています。1980年代に実施された研究では、アルツハイマー病患者ではコリン作動性マーカーの重大な障害が示されています。

※参考論文、コリン作動性仮説の歴史

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20060018/

それで、前脳基底部のコリン作動性ニューロンの変性とそれに伴う大脳皮質および他の領域のコリン作動性神経伝達の喪失が、アルツハイマー病の患者に見られる認知機能の低下に大きく寄与するのではないかと提案されたのです。

※参考論文、老人性記憶機能障害のコリン作動性仮説

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7046051/

コリン作動系とADに関する研究は、アセチルコリンが学習と記憶に役割を果たすことを示しました。抗コリン作用薬であるスコポラミンは、若年成人のコリン作動性活性を遮断し、高齢者に見られるものと同様の記憶障害を誘発すると報告されました。若年者の一時的な記憶障害は、コリン作動薬であるフィゾスチグミンで治療すると改善したのです。ただし、老年AD患者の記憶障害を元に戻すことは、脳構造の永続的な変化のため、これほど簡単ではないと言われています。

これらの知見を我々の食生活・日常生活に活かしていくには、次の対策が考えられます。これらの食品はブレインフードです。

  • 神経伝達物質アセチルコリンを増やす。材料となるコリンは、レバー肉、赤身肉、鶏卵、大豆、魚類、野菜類などに含まれますので意図的に摂取しましょう。
  • 神経伝達物質アセチルコリンを減らさない、つまりアセチルコリン分解酵素(コリンエステラーゼ)を減らす。コリンエステラーゼは肥満・過栄養で増加するので、適正体重・適正栄養を心掛ける。サンルージュ、べにふうき、タデ科植物にコリンエステラーゼ阻害作用の可能性があるので積極摂取する。
  • 市販の抗コリン薬は控える。第一世代の抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)は要注意です。「眠くならない」アレルギー薬の方が抗コリン作用が弱くなっています。

※参考記事、サンルージュ茶、べにふうきのコリンエステラーゼ阻害活性

https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2016/news161118003566.html

※参考記事

新栄養素コリン

フェンネルの記憶増強作用

不老梅本舗の梅肉エキス

※参考食材

サンルージュ茶

べにふうき茶

タデ酢


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