菜根譚ビギナーズ・クラシックス、湯浅邦弘
処世術を教えてくれる中国古典名著「菜根譚」ですが、養生訓として読むこともできると思います。
前集49条
肝受病、則目不能視(かんやまいをうければ、すなわちめみることあたわず)
腎受病、則耳不能聴(じんやまいをうければ、すなわちみみきくことあたわず)
病受於人所不見(ひとのみえざるところにやまいをうければ)
必発於人所共見(かならずひとのともにみるところにはっする)
故君子欲無得罪於昭昭(ゆへにくんしつみのしょうしょうとえることなからんとほっさば)
先無得罪於冥冥(まずつみのめいめいとえることなからん)
※意訳
肝臓が病気になれば視力が低下してしまうし、腎臓が病気になれば聴力がおとろえてしまうものだ。
人は見えないところが病気になると、必ずそれが外から見える処に症状として現れるのだ。
だから人の上に立つ者があきらかな罪を得たくないと考えるのであれば、
まず隠れたところで罪を得ないように注意しなければならない。
※鑑賞
「壁に耳あり障子に目あり」ということわざがありますが、秘密は必ず露見するものだから、悪いことは出来ないよ。公に罪を得たくないのであれば、見えないところでも悪いことはしちゃいけないよ、という教えなんですね。
この教えのたとえ話として、「肝臓が悪くなると視力が低下し、腎臓が悪くなると聴力が低下する」という話を出しているのですが、ブレインフードの観点から考えますと、「記憶力向上、精神疾患予防、認知症予防をしたいのであれば、全身状態を良くすることを心掛けろ!」という教訓であると読むことができますね。我々の身体は、血液やリンパ液、神経を通して全て繋がっているのですから、どこかに悪いところがあれば当然それが脳にも良くない影響を及ぼすのですね。認知症とか精神疾患という目に見える不都合になる前に、目に見えない全身状態が悪化しているのではないか、という教えなんですね。
「目に見えない全身状態を良くする」と言ってもどうすれば良いのか難しいですが、沢山の種類の栄養素をバランス良く摂取し、BMI20未満を維持し、血圧120未満を維持するというのがひとつの目安になるのでしょうか。栄養素で重要なのが「食物繊維」になると思います。
※参考記事
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