パレオは旧石器時代のことで、旧石器ダイエット(Paleolithic diet、原始人食)、hunter gatherer diet(狩猟採集社会食事法)、caveman diet(穴居人ダイエット)とも呼ばれます。旧石器時代の野草と野生動物を中心とした食生活に回帰することを目指すダイエットです。
1万年前の農耕革命によりコメ・小麦・トウモロコシなどといった穀物(炭水化物)を中心とした食生活が広まり、また牧畜により乳製品やブタ・ウシ・ヒツジなどの獣肉を大量に摂取するようになり、肥満や生活習慣病を招いたのではないかという洞察から、パレオダイエットは旧石器時代の食事に立ち返ることを念頭に置き、農耕や牧畜に頼らず、日常的に簡単に入手できる魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類などを中心とした食生活に回帰させます。旧石器時代に自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則的には避けます。
https://www.mdpi.com/2073-4395/8/1/4
2018年のスペインのカタラン研究所のカレンハーディー氏らの研究では、42万年から20万年前の人類の化石の歯石からでんぷん粒が発見されたと報告されています。石器時代の人類は継続的に採集した木の実や穀類を摂取していたようです。
当然、カロリーの過剰摂取も回避されるべきことになります。現代の一般的な外食産業や弁当類を含む加工食品は全てアウトと言って良いでしょう。農耕や牧畜が始まる前の狩猟採集民の暮らしに回帰しますから、食べる量も少なくなります。BMIは20以下が原則でしょう。各身長におけるBMI20の体重を列挙します。
1.5m×1.5m×20=45kg
1.6m×1.6m×20=51.2kg
1.7m×1.7m×20=57.8kg
1.8m×1.8m×20=64.8kg
パレオダイエットは、精製穀類(白米、精白小麦)などを避けるという食生活ですから、糖質制限ダイエットの一種であると言えます。糖質制限原始人食により、脳由来神経栄養因子BDNFを増加させ認知機能を高めることを報告する研究もあります。
※運動併用した糖質制限パレオダイエットにより認知機能が高まった報告
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31700717
これは、1日50g未満の炭水化物(ごはん1杯分)に、60秒間のサイクリングマシンを10回繰り返すことを、週に3回以上で、4週間継続することにより、脳由来神経栄養因子BDNFが38%増加し、認知機能の自覚症状が16%改善したという報告です。同時に体脂肪率、空腹時血糖値、中性脂肪、インスリン感受性を改善させたということです。
それでも「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言いますので、やり過ぎは禁物でしょう。当サイトが推奨する方式は、夕食の炭水化物をカットする食生活です。
※参考記事
低FODMAP食
※参考書籍
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