言葉のクスリ、菜根譚を読む4(薄味の教え)

菜根譚ビギナーズ・クラシックス、湯浅邦弘

処世術を教えてくれる中国古典名著「菜根譚」ですが、養生訓として読むこともできると思います。

前集7条
醲肥辛甘非真味(じょうひしんかんはしんみにあらず)
真味只是淡(しんみはただこれたんなり)
神奇卓異非至人(しんきたくいはしじんにあらず)
至人只是常(しじんはただこれじょうなり)

※意訳
濃い酒や濃厚な味わいの肉に、香辛料や甘味料で味付けした食事など本当の食事ではない。本当の食事というのは、ひたすら淡白なものだ。

神のように優れた人物や、卓越して並ぶ者のない人物は、道を極めた人とは言えない。道を極めた人というのはひたすら平凡であるのだ。

※鑑賞
濃い酒というのは高アルコールということでしょうか。濃厚な味わいの肉というのは、高カロリーということでしょうか。香辛料も糖分も、適量であれば体によいものですが、沢山摂ると体に良くないんですね。塩分過多も良くないでしょう。

「淡白」というのは薄味ということなんですが、究極的に言えば「味付けしない」ということで宜しいかと思います。生野菜を味付けせずにがぶりと食べる。刺身に醤油をつけずに頂く。納豆もタレをかけずに食べる。玄米麦飯もおかず無しで食べる。最初は味が無くて途方に暮れますが、慣れてくると意外に味わいがあると気付きます。その味を楽しめということですね。

食事以外でも、「神奇卓異」を目指す必要は無いということなんですね。ようするに「頑張るな」というアドバイスなんですね。「頑張らないで良いんだよ、普通が一番なんだよね、そういうのがストレス無くて良いでしょ」ということです。


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