自己免疫疾患の外部要因

日経サイエンス、2022年3月号

沢山ある自己免疫疾患の対策が毎日研究されています。

  • 乾癬
  • 橋本病
  • セリアック病(グルテン過敏症)
  • バセドウ病
  • 関節リウマチ
  • 1型糖尿病
  • 全身性エリテマトーデス(狼瘡)
  • 多発性硬化症
  • 円形脱毛症
  • 白斑
  • 悪性貧血
  • 潰瘍性大腸炎
  • 川崎病
  • 自己免疫性肝炎
  • ナルコレプシー

なんと沢山の自己免疫疾患があるのですが、その罹患率が上昇し続けていると報告されています。認知能力の低下や、抑うつ症状については、自己免疫疾患に分類されていませんが、多数の自己免疫疾患からの「間接的影響」は避けられないでしょう。そもそも全身性エリテマトーデスの症状には、倦怠感、頭痛、記憶障害も含まれているとされます。

日経サイエンスの2022年3月号では自己免疫疾患の特集が組まれており、外部要因についての研究も報告されています。

  • 2020年、米国立環境衛生科学研究所のリウマチ学者ミラーらが自己抗体の保有率を追跡した分析結果を発表しました。米国の1万4000人以上の被験者を25年にわたって追跡しました。1988年から1991年までの間、11パーセントの被験者が自己抗体を持っていましたが、2012年には16パーセントまで上昇したということです。ミラーによると、追跡期間中に8~9万種類の化学物質の使用が新たに承認されたと言います。電子機器は便利だが睡眠不足につながっているとも言います。加工食品の増加やライフスタイルの変化が影響していると推測されています。
  • 第二次大戦後、北東ヨーロッパのカレリアと呼ばれる地域はフィンランド領とロシア領に分割されたが、両地域の住民は遺伝的に類似していたにも関わらず、その後60年間で、フィンランドのⅠ型糖尿病罹患率はロシア側カレリアの6倍に増加しました。セリアック病など他の自己免疫疾患の罹患率もフィンランドではロシアに比較して6~10倍高くなりました。フィンランド側の生活は戦後急速に近代化されたが、ロシア側の生活環境は60年前と同じだった。フィンランド側の人々の腸内細菌叢はロシア側の人々に見られる多様性を欠いていた。
  • 糞便移植は古代中国の医学に端を発しており、重度の食中毒や下痢の治療に「黄色いスープ」と呼ばれる便の混濁液が使われていた。胃腸科医のアレグレッティは炎症性腸疾患IBDに効果があることに気付いた。

ということで、衛生仮説が繰り返し言及されているのです。

衛生仮説

自己免疫疾患を防ぐには、化学物質が無く、動物と触れ合い、泥んこにまみれて遊ぶような子供時代が必要であることが示唆されています。大人はどうしたらよいでしょうか。今からでも泥んこになって遊ぶと良いかもしれません。毎日風呂に入るのをやめるとか、シャンプーやボディソープを使うのをやめるとか、殺虫剤を使うのをやめるとか、ガーデニングや土いじりをするとか、ハイキングに行くとか意図的に現代社会の便利なモノから離れる必要があるかもしれません。

※参考書籍

藤田紘一郎、ばっちいもの健康学

※参考記事

Screenshot of www.tou-kewpie.co.jp

 


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