言葉のクスリ、菜根譚を読む3(酒は百薬の長)

菜根譚ビギナーズ・クラシックス、湯浅邦弘

処世術を教えてくれる中国古典名著「菜根譚」ですが、養生訓として読むこともできると思います。

後集133条
茶不求精而壷亦不燥(ちゃはせいをもとめざるも、つぼまたかわかず)
酒不求冽而樽亦不空(さけはれつをもとめざるも、たるまたむなしからず)
素琴無絃而常調、短笛無腔而自適(そきんはげんなきもつねにととのい、たんてきはこうなきもおのずからてきす)
縦難超越羲皇、亦可匹儔荊嵆阮(たといぎこうにちょうえつしがたきといえども、またけいのけいげんにひっちゅうすべし)

※意訳
高価な茶を求めるわけではないが、お茶はいつも飲んでいる。酒だって高価なものは求めないが、樽に絶やさず毎日楽しむ。質素な琴や小さな笛は、弦も無く穴も無いから音は鳴らないのだが、心の中で美しい調べを奏でている。文字を発明したとされる古代の伏羲王のような立派な人物にはなれないけど、竹林の七賢者と呼ばれる嵆康と阮籍に匹敵する隠者の境地に至ることはできるだろう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/伏羲

https://ja.wikipedia.org/wiki/竹林の七賢

※鑑賞
お茶(カフェイン)も酒(アルコール)も、高級品である必要は無いが、定期的に摂取すべきと言っているわけです。そして、想像力を働かせて、精神のリラックスを心掛けていれば、隠者の境地に至ってストレスから解放され、うつ病予防になりますよと教えているわけです。もしかしたら、リラックスできるなら、酒も茶も飲まなくて良いのかもしれません。

「酒は百薬の長」ということわざがありますが、これと同じことを言っているわけですね。リラックスして人生を楽しめということですね。

※参考記事

言葉のクスリ、菜根譚を読む4(薄味の教え)


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