5つの慢性炎症対策でウツ撃退

宮坂昌之、定岡恵、免疫と「病」の科学

現代病とも言える「慢性炎症 Chronic Inflammation」が、認知症やうつ病の原因にもなっていることがよく分かりました。それだけでなく、ガンや糖尿病や脂質異常症や心筋梗塞や脳梗塞やアトピー性皮膚炎や、リウマチや乾癬や潰瘍性大腸炎など、ありとあらゆる病気の原因になっているということです。慢性炎症は万病のもと、というわけです。欧米では「シークレットキラー」、「サイレントキラー」として警戒されるようになっているのだそうです。2004年2月号では慢性炎症がTIME紙の表紙を飾りました。

認知症とか鬱病とか、糖尿病とか、ガンとか、その病気の治療はもちろん必要なのですが、我々は個別の病気というよりむしろ「慢性炎症と闘っている」ということを認識すべきなのですね。

それで第6章「慢性炎症は予防できるのか?」を必死に読みました(笑)。でも、当然ながら、決定打というものは無いのですね。

(1)健康習慣・・・過ぎたるはなお及ばざるがごとし。中庸の徳を実践しましょう。貝原益軒先生の「養生訓」に次のような文章があります。

「養生の道は、病なき時慎むにあり、病発りて後、薬を用ひ、針灸を以って病を攻むるは、養生の末なり。本を努むべし。」

普段からの生活習慣が大事ということです。

(2)遺伝要因・・・がんになりやすい家系、なりにくい家系、糖尿病になりやすい家系、なりにくい家系があるということです。両親や祖父母の病気の傾向を再確認し、将来に備えて養生するという対策が考えられます。

(3)サプリメント・・・効果効能を表示できる健康食品もあるが、査読付き論文であっても査読者の人選など疑問が残る場合があるので、過信しないほうが良いそうです。さらに、効能がありそうな栄養成分があっても、サプリメントとして摂る場合と、食品から摂る場合で有効性が変わることがあるのだそうです。サプリメントでは十分な量が摂れなかったり酸化されてしまったりするのだそうです。

(4)ストレスは最大の敵・・・ストレスにより分泌される副腎皮質ホルモンが免疫力を抑制することが分かっています。「心を穏やかにして平常心をたもつ」ことが大事になります。

(5)5つの健康習慣・・・国立がん研究センターが推奨しているガン予防ガイドラインが、慢性炎症の予防にもつながると考えられます。

※国立がん研究センターの紹介ページ

https://epi.ncc.go.jp/can_prev/93/7957.html

「禁煙」「節酒」「食生活を見直す」「身体を動かす」「適正体重を維持」の5つです。節酒は1日大瓶1本まで。食生活は、塩分1日7グラム以下、野菜350グラム以上、熱い食べ物や飲み物は冷ましてから摂る。運動は1日40分以上が推奨されています。BMIは21から25未満が良いようです。

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