菜根譚ビギナーズ・クラシックス、湯浅邦弘
処世術を教えてくれる中国古典名著「菜根譚」ですが、養生訓として読むこともできると思います。
後集123条
山肴不受世間潅漑(さんこうはせけんのかんがいをうけず)
野禽不受世間拳養(やきんはせけんのけんようをうけず)
其味皆香而且冽(そのあじみなこうばしく、まさにれつなり)
吾人能不為世法所点染(ごじんよくせほうのてんせんせらるところとならずば)
其臭味不迥然別乎(そのしゅうまいけいぜんとしてべつならざるや)
※意訳
山菜は人々による世話を受けずに育つし、
野禽もまた人々の養殖を受けずに育つので、
その味わいはどれもみな香ばしく、まさに鮮烈なものである。
我々人間も世の中の慣習に染まってしまうことがなければ、
その人物の人となりも、まわりの人間とは桁違いの人品を備えることになるだろう。
※鑑賞
現代では食料品はどれもみな、栽培され、養殖されたものが多くなりました。農作物なら肥料や農薬が使われますし、養殖でもホルモン剤や抗生物質などで管理された動物が育ちます。それを我々は食べているのです。
しかし、狩猟採集によって得られたジビエ肉や自然野菜など、天然物の食材はどれも皆、鮮烈な香りと食べ応えがあります。その力強い味わいと生命力に感動して下さい、と言うのです。
農作物で言えば、有機肥料で育てた「有機JAS」という農産物がありますが、これを超えて、さらに「無農薬」「無肥料」の「自然栽培」という野菜もあります。これは、香りと味が濃くて驚くべき品物です。少ししか収穫できないので価格も高いです。真っ白な野菜ではなく、紫とか黄色とかの野菜を探してみましょう。鮮烈な香りがするでしょう。
ジビエ肉も野生の猪や鹿やウサギを鉄砲で撃って獲ってくるのです。それを料理する専門レストランもあります。天然ジビエ肉、はっきり言って肉が硬いこともありますが、旨味が段違いに濃厚です。スーパーのパック肉とは別物と言っても良いです。
※参考HP、自然栽培ナチュラルハーモニー
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