言葉のクスリ、菜根譚を読む2(粗食の勧め)

菜根譚ビギナーズ・クラシックス、湯浅邦弘

処世術を教えてくれる中国古典名著「菜根譚」ですが、養生訓として読むこともできると思います。

前集11条
藜口莧腸者(れいこうけんちょうのものは)
多冰清玉潔(ひょうせいぎょっけつおおく)
袞衣玉食者(こんいぎょくしょくのものは)
甘婢膝奴顏(ひしつどがんにあまんず)
蓋志以澹泊明(けだしこころざしはたんぱくをもってあきらかなるも)
而節從肥甘喪也(せつはひかんよりうしなうものなり)

※意訳
藜(あかざ)や莧(ヒユ=アマランサス)のような粗食で、
氷や宝石のように心が清らかに磨かれる。
袞衣(龍の刺繍の衣)や玉食(豪華な食事)では、
従僕のように媚びへつらう精神に落ちるだろう。
思うに、信念は淡白質素な生活によって光り輝くが、
その節度は贅沢な食事で失われてしまうものだ。

※鑑賞
アカザやアマランサスのような質素な食事で、食べ過ぎに注意していれば、精神疾患の予防ができるということでしょうか。アカザというのはホウレン草の近縁種のようですが、現代ではあまり食べる人は居ないようです。ヒユ=アマランサスは、種を加熱して雑穀として食べたり、茎を茹でたりして食用されたようです。いずれにしても低炭水化物の質素な食物だったようです。

そして、豪華な服装と食事は、精神を破壊すると述べています。豪華な服装というのは、金銭の浪費ということでしょうか。外見を気にするということは、他人の目を気にしすぎることですね。そういうのは精神の健康を損ねますよと言っているわけです。

食事も生活も質素にすることが精神の健康に役立ちますよ、ということを教えてくれているわけです。無理はするな、ということですね。


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