ローズマリーは「思い出の花」「記憶のハーブ」と呼ばれ、記憶力を高める作用があると言われてきました。和名「万年朗」は、永遠の青年という意味です。
シェークスピアの『ハムレット』の第4幕第5場で、狂気に陥ったオフィーリアが花を配る際、ローズマリーを手に取り、
「これがローズマリー。思い出のために、どうか忘れないで…」
といった台詞を口にしています。
この台詞は、ローズマリーが変わらぬ愛、忠誠、そして記憶を象徴する花として当時の文化に根ざしていたことを反映しています。つまり、オフィーリアは自分の存在や感情を、相手に忘れられないようにという願いとともに表現しているのです。
ローズマリー蜂蜜や、ローズマリーチキン、ハーブティーで摂取しましょう。ベランダや家庭菜園で栽培して香りを楽しむのも良いでしょう。
※ローズマリーが高齢者の記憶速度短縮を認めた論文があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21877951
乾燥ローズマリーの葉粉が認知能力に及ぼす影響を調査するために、無作為化プラセボ対照二重盲検試験を実施したところ、ローズマリー葉乾燥粉末750mgの摂取で、28人の高齢者(平均年齢75歳)に対し、1から6時間後の記憶速度の向上が認められました。但し、6000mgの摂取では逆に記憶速度の低下も観察されたとのことです。「過ぎたるは及ばざるがごとし」という諺の通りの試験結果です。通常の料理で用いられる低用量の長期間摂取による効果が期待されます。
※ローズマリーに含まれるカルノシン酸が、アルツハイマー病モデルマウスの記憶力を向上させたとする報告
https://www.mdpi.com/2076-3921/14/3/293
抗酸化/抗炎症化合物であるカルノシン酸(CA)は、ハーブのローズマリーとセージに含まれるフェノールジテルペンですが、酸化しやすいため、非常に不安定な物質です。CAをアルツハイマー型認知症(AD)治療薬として開発するために、プロドラッグ誘導体を合成し、その中でも優れた薬物様特性を示したジアセチル化型(diAcCA)は、その中でも優れた薬剤様特性を示しました。diAcCAは、血流に吸収される前に胃中でCAに変換され、安定性とバイオアベイラビリティの改善、およびCAと同等の薬物動態(PK)と有効性を示しました。ADトランスジェニックマウスにおけるdiAcCAの有効性を検証するために、5xFADマウス(または同腹仔コントロール)に3ヶ月間薬剤を投与し、その後、行動学的および免疫組織化学的研究を行いました。diAcCAを投与された5xFAD動物は、免疫組織化学分析で神経保護作用を示し、水迷路テストで学習と記憶の改善を示しました。diAcCAによる治療により、星状細胞およびミクログリアの炎症、アミロイドプラークの形成、およびリン酸化タウ神経突起凝集体が減少しました。
ローズマリーを治療薬に活用するための研究も進んでいるようですが、そんなことは待っていられません。ローズマリーをプランターに植え、毎日においを嗅ぐと良いでしょう。また、ローズマリーのハーブオイルをアロマディフューザーで楽しんだり、風呂に一滴たらして楽しんでも良いでしょう。