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空腹ホルモン・グレリンの抗うつ作用と、記憶増強作用!

空腹になると胃や腸から分泌されるホルモン=グレリン(Ghrelin)の様々な効能が明らかになりつつあります。

まず、抗うつ作用について、こちら。

※Nature Nuroscience 2008年7月号より「空腹ホルモングレリンは、慢性的なストレスの抑うつ症状に対して防御する」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2765052/

これは、皮下注射やカロリー制限によるグレリン濃度上昇が、マウスの迷路実験や強制水泳試験において、抗不安薬や抗うつ薬に近い効果を示したという論文です。空腹になると「元気がでる」ということなんですね。空腹になったら、「元気を出してエサを探せ!そして生き延びろ!」と遺伝子が命令している、と解釈できますね。

次に、記憶増強作用について、こちら。

※Nature Neuroscience volume 9, pages 381–388 (2006)より「グレリンは、海馬脊髄シナプス密度および記憶能力を制御する」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16491079

これは、グレリンが、視床下部のシナプス可塑性に作用することにより、中枢神経のエネルギーバランスと成長ホルモン放出に影響していることを示す研究です。グレリンは海馬のニューロンに作用し、樹状突起脊髄シナプス形成および長期増強の促進が報告されています。これらのグレリン誘発シナプス変化は、空間学習と記憶の強化と同義であり、マウスにおけるグレリン発現遺伝子の破壊は、CA1領域における脊椎シナプスの数の減少および行動記憶試験における能力低下をもたらし、両方ともグレリン投与によって急速に好転したことが観察されています。

空腹になったら、「頭をフル回転させてエサを探せ!そして生き延びろ!」と遺伝子が命令している、と解釈できますね。

現代は飽食の時代ですから、昔の人に比べてグレリンは不足しているかもしれません。折角研究でグレリンの機能があきらかになりつつあるわけですから、これを活用しない手は無いと思います。スローガン的に言えば、「空腹を愛せ!そして脳機能を高めろ!」ということでしょうか。