https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20464624
頭痛の罹患率と緯度の関係を報告する論文がありました。
最近、世界中でビタミンD不足(VDI,vitamin D insufficiency)がさまざまな集団で観察されるようになりました。有史以来まれなことでしたが、元来ビタミンDの皮膚合成が少ない有色人種が北欧で生活したり、欧米人でも昼間外出せず一日中室内で過ごすというようなライフスタイルが影響しているものと思われます。
いくつかの研究では、ビタミンDの低血清レベルと慢性疼痛のより高い発生率との間の関連を示唆しています。いくつかの症例報告は、頭痛障害を有する患者におけるビタミンD療法の有益な効果を示しました。血清ビタミンD濃度は緯度と強い相関関係を示します。頭痛の有病率は緯度の増加とともに増加する傾向があるようです。頭痛障害の季節的変動に関する研究は限られていましたが、入手可能なデータによると、秋から冬にかけて頭痛発作が増加し、夏に発作が最も少ないことを示しています。頭痛発生の特性は、血清ビタミンDレベルの季節変動と一致します。視床下部におけるビタミンD受容体、1α-ヒドロキシラーゼおよびビタミンD結合タンパク質の存在は、頭痛の発生におけるビタミンD欠乏の役割を示唆しています。
頭痛は現代病です。ライフスタイルの変化により頭痛が増えているのです。原因不明の頭痛に悩まされる人も多いのですが、結局のところ「そとでお天道様に当たらないこと」が原因なのかもしれません。その場合は、日光浴するという対策の他、ビタミンDのサプリメントを摂るという作戦も考えられます。厚生労働省の摂取基準では、1日5μgが推奨されており、摂取上限は100μgとされています。