https://ja.wikipedia.org/wiki/IARC発がん性リスク一覧
ベンゼンって言えば、WHOのIARCも発がん物質の1類(ヒトに対する発癌性が認められる)に分類する危険物質ですが、意外に、名前を変えて、ベンゼン化合物が食品添加物に使われているんですね。ベンゼンは、化学式C6H6で、正六角形の頂点に炭素原子があり、その外側にひとつずつ水素原子が結合している形となっています。これをベンゼン環と言います。これがDNAの塩基に構造が似ているため、DNAを損傷して発ガン性を生じると考えられています。
ベンゼンは便利な有機溶剤として昔はコンビニでも売られていた物質ですが、今は有機溶剤としての使用も禁止され、勿論食品添加物として使用することも認められていません。しかし、ベンゼン化合物は別です。ベンゼンに様々な物質が化合したり、ベンゼン環の炭素原子の一部が他の元素に置き換わったりしているものを、ベンゼン化合物、特有の芳香を持つことから、「芳香族化合物」と呼びます。もちろん芳香族化合物はベンゼンそのものとは違いますので、発がん性の有無は個別に審査しなければ分からないことですが、何らかのはずみで、ベンゼン化合物が分解されてベンゼンが出て来てしまうことがあり、その場合は、ヒトの細胞にとってDNA損傷の脅威となってしまいます。清涼飲料水の安息香酸がビタミンCで還元されてベンゼンが検出された事件もありました。安息香酸って、英語では、benzoic acid と言うのですが、日本語にするとベンゼンとは何の関係も無い様に見えるから不思議ですね。
※厚生労働省の報道発表資料、清涼飲料水中のベンゼンについて
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/07/h0728-4.html
そのため、ベンゼン環を含むあらゆる物質(芳香族化合物)を身体から遠ざけるという対策も考えられることになります。「君子あやうきに近寄らず」ということわざもありますし、「ベンゼン環から逃げろ!」ということですね。
ベンゼン環は、多くの保存料や甘味料に入っています。有名なところでは、安息香酸、サッカリン、アステルパームなどです。ベンゼン環の炭素原子の一部が他の元素に置き換わったものが含まれる人工甘味料もありますね。「カロリーオフ」「カロリーゼロ」とかはむしろ回避すべきなのではないかと思えます。カロリーゼロから逃げろ!ということですね。
例えばビール。「糖質オフ」とか「糖質ゼロ」とか良く売っていますけど、それより「普通のビール」をたまに(週に1回とか)飲んだ方が良いと思いました。はい、うちでは今後、普通のビールを飲むように致します。