論文:運動と免疫力の関係

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コロナに勝つために免疫力(NKCA、NK細胞活性)を高めなければなりませんが、運動についてはどのように考えるべきでしょうか。激しい運動は逆に免疫力を落とす原因になり、「適度な運動は免疫力を高める」と言われますが、「適度」とはどの程度の運動を言うのでしょうか。

※参考論文、運動と免疫(オープンウインドウ説、Jカーブモデル)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/1/1/1_1_31/_pdf

こちらの論文によると、マラソンやトライアスロンのような過酷な持久運動では競技終了後2週間で50~70パーセントの選手が感冒症状を呈し、そのリスクは通常の2~6倍にもなると報告され、激運動により免疫能が一時的に抑制され、病原体に門戸を開放してしまうことをオープンウインドウ説として提唱されているとのことです。

身体活動量と感染症リスクは、Jカーブのように変化することが観察されるということです。つまり、運動不足の状態から、適度な運動レベルまで増やすと感染症リスクは低下するが、そこからさらに運動レベルを増やしていくと感染症リスクがどんどん増加し、スポーツ選手などの場合には運動不足の場合よりも感染症リスクが高まってしまう場合があるということです。

そして、推奨される運動量は、最大酸素摂取量の50~60パーセント程度の有酸素運動(継続的に運動できる活動量)で、1日20~60分までを週3回以上の運動レベルということです。これは通勤通学で言えば一駅手前で降りてゆっくり歩くという程度の運動量になるでしょう。1時間以内の自転車通勤通学や徒歩通勤通学も良いですね。

※参考論文、スポーツと免疫

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/58/1/58_1_13/_pdf/-char/ja

※参考論文、各種運動環境下における好中球・免疫機能動態の検討

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/66/3/66_3_533/_pdf

こちらの論文によると、柔道選手が食事を制限しながら20日間運動した場合は減量群の好中球機能低下が有意に観察されたということです。体重制限のあるスポーツ競技などで試合に向けて減量しながらトレーニングすることは免疫機能から見ると好ましくないようです。

コロナとの闘いでは、バランスの良い食事をしっかり摂り、60分以内のウォーキングなどの有酸素運動を推奨致します。外出自粛や在宅勤務で家に閉じこもるのは良くないのですね。3密を避けながら、毎日60分以内のウォーキングに出掛けましょう。


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