抗コリン薬暴露と認知症リスクの関係

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抗コリン薬には短期間の認知障害があるとされていますが、これらの薬を長期間使用すると認知症のリスクが増加するかどうか調べた研究があります。抗コリン薬は、アセチルコリン神経の伝達を抑制する薬で、抗不安薬、第1世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)、過活動膀胱治療薬などに使われています。抗コリン作用の無い(いわゆる眠くならない)抗ヒスタミン薬は除きます。

この研究では認知症と診断された平均82.2才の患者が、診断から11年前までの期間に、抗コリン薬を何日分服用したかを調査したところ、1095日分(3年分)以上服用したグループでは1.49倍認知症に罹りやすかったと分かったそうです。

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上記研究とは別に、抗ヒスタミン薬の、眠気や、集中力や判断力、作業能率が低下するという副作用は、インペアード・パフォーマンス(パフォーマンス低下、鈍脳)として知られてきました。

花粉症の季節に、例えば年に1ヶ月だけ飲んだ場合には、1095日分に到達するには36年間飲み続ける必要があり、それなりに多量の暴露だなあと思いますが、アレルギーで困った時に安易に第一世代抗ヒスタミン薬に頼るのは考えものですね。どうしても困った時は飲むしかないと思いますが、体質改善とかも考えずに漫然と飲み続けるのは良くないという事でしょうか。漢方薬だと小青龍湯などが花粉症の適応があります。

※参考記事

忘れた記憶を復活させる実験

クラシエ漢方


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