がん予防10か条

世界がん研究基金・米国がん研究機構が2007年に発表した「がん予防10か条」ご存知ですか?それぞれの勧告は一般的に健康に良いとされていることで特に目新しいことでは無いのですが、それぞれ膨大な研究量に裏打ちされた実践的なアドバイスであり、毎日積み重ねることで3割程度のガン予防効果が期待できると推定されています。

編集委員であり、翻訳者でもある九州大学医学部名誉教授廣畑富雄先生は、「がん予防のライフスタイルは、他の慢性の病気、糖尿病、心臓病、脳卒中などの予防にも役立ち、皆さん方の健康で、幸せな生活につながります。」と述べておられますね。当然、脳の健康にも役立つことだろうと思います。ぜひ気に留めて実践していきましょう。

※日本語要約文
https://www.wcrf.org/sites/default/files/SER-SUMMARY-(Japanese).pdf

※世界がん研究基金の予防ページ
https://www.wcrf.org/dietandcancer/cancer-prevention-recommendations

1、身体肥満度・・・体重を正常範囲(BMI21-13)に保ち、正常範囲でもなるべく低いほうが望ましい。

2、身体活動(運動)・・・毎日の日常生活の一部として、つとめて身体を動かし活動的な生活をすること。身体活動レベルPAL1.6以上。毎日少なくとも早足で30分以上の運動。

3、体重を増加させる食物や飲料・・・食事の平均エネルギー密度)を、100gあたり125kcal 以下に抑える。糖分の多い飲料を避ける。

4、植物性の食事・・・植物性の食品を主として食べること。非でんぷん性の野菜と果物を、平均して、毎日600g以上食べること。比較的精製度の低い穀類や豆類、その他(食物繊維の供給源)から、集団平均で、毎日少なくとも25gの非でんぷん性多糖類を摂取するようにする。非でんぷん性の野菜としては、緑色の葉菜類、ブロッコリー、オクラ、茄子、白菜などを含む。しかし例えば、馬鈴薯、ヤムいも、さつまいも、タピオカなどは含まない。非でんぷん性の根菜類としては、人参、キクイモ、セロリの食用茎、かぶ類が含まれる。

5、動物性食品・・・肉(牛肉、豚肉など)の摂取を控える。加工した肉は出来るだけ避ける。肉の摂取を生肉換算で週に500g以下とする。調理すると2〜3割減るので調理肉だと週400g以下とすべきである。

6、アルコール性飲料・・・アルコール性飲料(酒類)の摂取を制限する。酒類は冠動脈性心疾患に対してアルコール性飲料は予防的に働く可能性があるが、がん予防の観点から1日のアルコール摂取量を10-15g(350ccビール1缶、日本酒半合)以下とすべきである。

7、保存、加工、調理・・・ヒト集団の食塩の平均摂取量を、一日5g(ナトリウムで2g)以下にすること。カビに汚染された穀物や豆類から生じるアフラトキシンへの曝露を、最低に抑えること。かびに汚染された穀物や豆類を避けること。(日本においては輸入穀類やナッツ類に危険性がある。)

8、食事のサプリメント・・・サプリメントに頼らず食事のみから必要な栄養を摂ること。サプリメントがガンに対して予防的に働く場合もあるが、リスクを高める場合も観察される。

9、授乳(特殊勧告)・・・母親は授乳を行い、乳児は授乳を受ける。授乳は母子共に健康に作用する。最低6ヶ月は授乳のみで育てるべきである。

10、がん生存者(特殊勧告)・・・がん生存者は、専門家より栄養に関するアドバイスを受けて、食事・体重・身体活動について、この勧告を実施すべきである。

引用文言:
World Cancer Research Fund / American Institute for Cancer Research.
Food, Nutrition, Physical Activity, and the Prevention of Cancer: a Global
Perspective. Washington, DC: AICR, 2007


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